木村俊子記念老人大学学生会館

市役所高齢者福祉課より発注があり芝山にある木村俊子記念老人大学学生会館の襖と障子の修繕工事をしました。建物は一般家庭風の造作で床の間や仏壇らしきものと雪見障子がある施設はあまり見ることはありません。発注は電話で見積書提出した時も担当者が不在で施設管理者も居ませんでしたので聞く事も出来ませんてしたが、おそらく故人の遺志で寄贈されたものなのでしょうか?   以前『青少年キャンプ場研修棟さざんかの家』の仕事をやらせて頂きましたが築百年以上の農家造りの元茅葺屋根の建物でした。昨今、古い建物は何でも解体する傾向にありますが役所の管理の下で日本家屋を残すのもいいものだと思いました。

襖を外すのが大変でした

 

     三山老人憩の家と二和老人憩の家の襖を貼り替えさせて頂きました。左の写真は三山の現場ですが、1本引きの入口の戸襖が、鴨居が下がってきてジャッキで持ち上げました。それでも外れず悪戦苦闘の末、何とか引き下げて来ました。引手は今回傷んでいないので替えずに取り付けたのですが、引手の中には木製の引手やプラスチックの引手があり、時にはボンドで貼り付けてある物も有り、外す時に壊さざるを得ない物も有ります。出来るだけお客様の了解を得たうえで使えるものは再利用するようにしています。

防炎認定樹脂の障子

    右の写真は中央公民館和室の障子ですが、三山市民センター和室と同様に、子供たちが使うと指で穴をあけるからとの事でワーロンシートを貼らせて頂きました。ワーロンシートとは天然素材の和紙を塩化ビニール樹脂で両面からラミネートした耐久性に優れた和風素材で、表面は拭き掃除が可能です。少々お値段が高くなりますが、ワーロンシートは防炎製品認定品となっていますので、公共の不特定多数の方が使われる施設などには特に良いかと思います。

日本人の嗜み? 茶華道

 茶華道会館の華道室の仕事をした時に完了届に提出した写真です。襖と障子を貼り替えましたが、茶華道は東京にいた頃知人が、表千家と池坊を教えていたので友達に誘われて茶の湯を数年習いました。神社仏閣ゃ茶道は畳と切っても切れないものが有り、少しでも知識を獲ようとトライしました。そんな事もあり特別な思いで仕事をして、終わってから職員の方に茶室を覗かせて頂きました。昔、お稽古の時湯が煮えたぎる音を聞きながらのいっぷくに心が和まされた事を思い起こしながら帰路につきました。

店主の一人ごと

 当店は、襖の仕事を平成6年より店主が手仕事で仕上げています。その前は現場で一緒になる東京都江戸川区の業者さんにお願いしていましたが、船橋まで来るのが大変との事で仕事の手ほどきを受けました。それから数年して請け負うことになり今日まで実績を重ねてきました。当初、畳の仕事が忙しく、秋から暮れの間は間に合わせることが出来ず、やむなくお断りをしなければならない時もありました。しかしながら近年、町の職人さんが厳しい状況にある中,受けた仕事は間に合わせるように務め、時には夜なべ仕事をして納めています。